競輪選手にとって空気抵抗は避けては通れない重要な問題です。
では選手たちはどのような対策をとっているのでしょうか?
この記事では、
- 空気抵抗がレース展開を左右する理由
- ポジションで空気抵抗はどれくらい変わる?
- 競輪選手が使っている空気抵抗への対策テクニック
について解説します。
結論ですが、競輪ではドラフティングなどのテクニックで空気抵抗を抑え体力を温存し、自力自在の戦法で勝負を決めます。
目次
1.空気抵抗がレース展開を左右する理由
ここでは以下について解説します。
- 時速60kmを超える競輪では空気抵抗が大きい
- 先頭選手と後続選手では空気抵抗の大きさが異なる
・時速60kmを超える競輪では空気抵抗が大きい
競輪のレースでは、選手が最高時速60kmを超えることも珍しくありません。
このスピード域になると、体にかかる空気抵抗は非常に大きくなり、選手の消費エネルギーの大半を占めるようになります。
空気抵抗は速度の二乗に比例して増加します。
そのため、わずかな速度アップでも脚への負担が急激に大きくなります。時速60kmを超えることもある競輪では、空気抵抗の影響を大きく受けるのです。
・先頭選手と後続選手では空気抵抗の大きさが異なる
同じスピードで走っていても、先頭を走るか、それとも後ろに位置するかで空気抵抗の大きさは大きく変わります。
先頭選手は常に風を切って進むため最も強い抵抗を受け、一方でその直後につく後続選手は前の選手を風避けにすることで空気抵抗を減らすことが可能です。
つまり、競輪では空気抵抗を考慮したポジショニングが勝敗に影響するのです。
2.ポジションで空気抵抗はどれくらい変わる?
ここでは以下について解説します。
- 先頭選手は空気抵抗をもろに受ける
- 先頭選手比較で番手は約30%、3番手は約35%、4番手は約40%空気抵抗が減る
・先頭選手は空気抵抗をもろに受ける
競輪のレースにおいて、先頭を走る選手が受ける負担は非常に大きいものです。
理由は、先頭選手が進行方向にある空気を切り裂き、もっとも強い空気抵抗を直接受けるからです。
特に競輪では最高速度が時速60kmを超えることもあり、この速度域では抵抗の大部分を空気抵抗が占めます。
文部科学省のスポーツ科学研究でも、自転車競技における消費エネルギーの約70〜90%が空気抵抗によるものとされており、先頭走者はそのほぼ全てを受けることになります。
先頭選手は自分のペースで走れるメリットがある反面、他の選手よりも空気抵抗と戦う必要があるのです。
・先頭選手比較で番手は約30%、3番手は約50%、4番手は最大で約55%空気抵抗が減る
後続に位置する選手は、先頭が受けた空気を後ろで利用することで、抵抗を大幅に減らすことが可能です。これを「ドラフティング効果」と呼びます。
ドラフティング効果による空気抵抗の削減率は、次の通りとされています。
- 番手選手 : 約30%
- 3番手選手 : 約50%
- 4番手選手 : 約55%
これらの数値は風の方向や選手同士の距離、姿勢によって変わりますが、基本的には後方にいくほど削減効果が大きくなります。
3.競輪選手が使っている空気抵抗への対策テクニック
ここでは以下について解説します。
- 「ドラフティング」と「スリップストリーム」
- 先頭誘導員を風避けに利用
- 空気抵抗に負けない自力自在選手の体作り
・「ドラフティング」と「スリップストリーム」
競輪選手にとって、空気抵抗をどれだけ減らせるかは勝敗を左右する重要な要素です。代表的な戦術が「ドラフティング」と「スリップストリーム」です。
ドラフティングは、前を走る選手のすぐ後ろに位置取り、前方選手が風を切ることで生まれる空気の流れ「スリップストリーム」に乗ります。
前方選手の背後につくと、実際の体力消耗を20〜30%ほど抑えられるほどの効果があるのです。
実際のレースでは、選手たちは「ライン」と呼ばれる縦列を組み、互いに風よけをしながら効率的に走行します。
先頭を走る選手が風を受ける負担を引き受ける一方、後方選手はスタミナを温存し、終盤で爆発的な加速を見せるのです。
・先頭誘導員を風避けに利用
競輪独自の特徴として、序盤に「先頭誘導員」が登場します。誘導員はレースのペースを作る役割を担うと同時に、後ろについた選手にとって大きな風よけとなります。
ドラフティングの効果から考えると、誘導員の背後を走ることで空気抵抗が大幅に抑えられることは明らかです。
これにより、序盤から中盤にかけて余分な体力を使わずに済み、残り2周からの勝負どころに備えられるのです。
・空気抵抗に負けない自力自在選手の体作り
競輪選手には「先行」「捲り」「追い込み」「マーク屋」などさまざまなタイプがいます。
その中でも特に注目されるのが、自ら風を切って攻める「自力型」と、状況に応じて戦法を使い分ける「自在型」です。これらの選手はいずれも、勝負どころでは自分の力で風を切らなければならないため、空気抵抗に負けない体づくりが欠かせません。
まず重要なのは下半身の強化です。スクワットやデッドリフトといったウェイトトレーニングにより爆発的な踏み込みを可能にします。
さらに、高強度インターバルトレーニング(HIIT)を取り入れることで心肺機能を高め、長時間の高速走行に耐えられる持久力を養っているのです。
また、腹筋や背筋などの体幹を鍛えることで、ペダリング効率が上がり、フォームを崩さず力をロスなく伝えることができます。
自力型は前へ出る力を、自在型は柔軟に展開する力を、それぞれ鍛え上げ、空気抵抗に負けない体作りをしているのです。
4.競輪の空気抵抗の影響は?空気抵抗への対策も紹介!まとめ
競輪競技における空気抵抗の影響について解説しました。
- 時速60kmを超える競輪では空気抵抗が勝敗を左右する。
- 競輪では先頭が最も空気抵抗を受け、後続はドラフティングで最大約55%軽減できる。
- 競輪ではドラフティングや体作りで空気抵抗に対策している。
競輪ではドラフティングで空気抵抗を抑え体力を温存し、自力自在の戦法で勝負を決めます。
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