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競輪の用語として使われる「カント」という単語ですが、競輪以外の現場では使われることがほぼないため、どんな意味かイマイチ理解できていない方もいるはず。
結論からすれば、バンクのなかについている角度のことを「カント」と呼びます。
このカントは競輪場によって違いがあり、その違いがレースの展開に影響を及ぼすことも多々あるのです。
1.カントとは?バンクについている傾斜の「角度」を表す言葉だった!
競輪場で選手が走行するコースのことを「バンク」と呼びますが、このバンクについている傾斜のことを「カント」と呼んでいます。
コーナーの部分では30度前後の角度がついているので、外から見ているとあまり傾斜を感じることができませんが、実際にはかなりの傾斜になっているのです。
また、傾斜はコーナー部分だけでなく、直線の部分でも数度の角度がついています。
選手には「逃げ」や「追い込み」などの脚質がありますが、この脚質とカントの相性のようなものがあるので、カントの具合がレースや選手に大きな影響を及ぼします。
2.カントは何のためにある?選手の危険を少しでも減らすための対策が理由
バンクのなかについているカントですが、なぜこのような設計がされているのでしょうか。
実は、選手の危険を防止するための意味があり、レースを円滑に進めるための工夫でもあります。
・コーナーの部分でも速度を落とさずに曲がれるようにするため
カーブを走るときには遠心力がかかるので、外側に逃げるようにチカラが働いてしまいます。
すると、転ばないように速度を落としてカーブを走ることが必要ですが、速度を落とすことなく走ることができるように、カントが設計されているのです。
速度を落とさずに走ることで、より疾走感があってスピードを感じるようなレースになりますよね。
・選手の落車を防ぐため
上記で説明したように、速度を落としてコーナリングをしなくてもよいように、カントが設計されています。
これは、ただ疾走感のあるレースを演出するためだけではなく、選手の落車を防ぐためという意味もあるのです。
コーナー部で遠心力がかかれば、いくら速度を落として走っていても、落車の危険性が出てきます。
カントをつけることで、速度を落とさなくても自転車を立てて走ることができるので、落車の危険を減らすことに繋がります。
3.競輪で選手が走るバンク|長さやカントの設定は各地で違いがあった!
全国の各地に競輪場がありますが、バンク1周あたりの長さやカントの角度には、違いがあるのです。
そのため、選手によって「あの競輪場は得意だけど、あっちの競輪場は苦手」などの得手不得手がでてきますし、相性があります。
バンクの周長は大きく分けて、333m・400m・500mの3種類となっています。
335mの競輪場もありますが、誤差範囲の距離ということもあり、333mにまとめられることが多いです。
カントの角度には明確な種類はありませんが、コーナー部の傾斜が30度以上ついているところもあれば、30度未満のところも存在。
周長とカントの角度に応じて、有利になる脚質が異なるのも、競輪の楽しいところです。
バンクの違いがどのような有利不利を生むのか、次の章で解説していきます。
4.バンクの周長、カントの角度、これらで有利な選手と不利な選手に分かれる
カントがゆるい場合ときつい場合、それぞれで有利になる選手が異なります。
予想したいレースが開催される競輪場について、バンクの特徴まで調べてみると、これまでとは全く違う予想の仕方になるかもしれませんね。
・カントがきつい競輪場では、一般的に「捲り」「追い」が有利になる
カントがきついと、「捲り」や「追い」の脚質になっている選手が有利になります。
それは、こうした脚質の選手が仕掛けるときの動きを、カントの角度のきつさが後押ししてくれるためです。
というのも、「捲り」や「追い」の選手は、終盤になると外側から一気に前を走っている選手を追い抜こうとします。
外側から抜こうとするので、この時の動きは傾斜を下る動きになります。
カントの傾斜が強ければ強いほど、外側から追い抜くときに早くスピードに乗れるので、「捲り」や「追い」の選手が有利と言えるのです。
・カントがゆるい競輪場では、一般的に「先行」「逃げ」が有利になる
カントがきつい競輪場とは逆で、外側から追い抜こうとするときに後押ししてくれる傾斜が弱くなるので、カントがゆるい競輪場では「捲り」や「追い」が決まりづらい特徴があります。
「逃げ」「先行」の選手がそのまま逃げ切りやすいといえるのです。
しかし、500mバンクであると最後の直線が長くなるので、「逃げ」「先行」の選手は脚力が持たない可能性も出てきます。
そのため、500mバンクでは「捲り」「追い」にも勝機があるでしょう。
5.競輪でよく聞くカント|選手を守り、予想を影響する【まとめ】
速度を落とすことなくコーナリングができるため、落車を防ぐためという理由で、バンク内には傾斜がつけられています。
その傾斜こそ「カント」と呼ばれるもので、バンクの周長と同じく、各競輪場によってつけられている角度は違っています。
一般的に、カントがきつい競輪場では「捲り」「追い」が有利で、カントがゆるい競輪場では「逃げ」「先行」がそのまま逃げ切りやすいのが特徴です。
脚質による有利不利も頭におけば、これまでとは一味違った競輪の予想を楽しめるでしょう。
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